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FREELIGHTのバックパックは超軽量なウルトラライトバックパックですが壊れません※

 今回はFREELIGHTのバックパックのウエストベルト その構造と思い についてお話します。

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いつもFREELIGHTをご利用いただき、ありがとうございます。

なぜウエストベルトは、直接本体から出ていないのでしょうか?
FREELIGHTのバックパック、ウエストベルトの形状はこのようになっています。

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〈Dlight42は50mmのベルトがアジャスターを介して本体につながりベルトにパッドをつけております  
                        SpinnZack35は25mmのベルト パッドなしとなります 〉

基本的には、本体に「アジャスター」を付け、そこからベルトを出しています。  
なぜウエストベルトは、直接本体から出ていないのでしょうか?


判りやすくほかの例を挙げて説明してみましょう。

最近では、「マニュアル車」が減って、マニュアル車を運転する機会は少なくなりましたが
「マニュアル車」の最大の特徴であり、多くの人が苦手に思っていたのが「クッラッチ」でした。

クラッチは、車の動力であるエンジンの力を車輪に伝えるためにありますが、
特に、車が動き出すとき、止まる時に、クラッチが大切な役割を果たします。

非常に強いエンジンの回転の力を、止まっている重い車体に対して、いきなり伝えようとすると
エンジン側か、車体側(車輪側)に大きな負荷かかかり、どちらかが壊れてしまいます

それを回避するために、「半クラッチ」という操作によって エンジンの強い回転の力と 止まっている重い車体を、ゆるやかに、あいまいに結びつけ、エンジン出力の初期衝撃を和らげて車体に力を伝えていくのです。

最近の車はこの動作を同じような動作をしてくれる「トルクインバーター」が制御して、エンジンの力と、重い車体の動きのバランスを保ちます。

話をパックパックに戻します。

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バックパックに一定の重量の荷物を入れて、持ち上げて、運んでいる時、あるいは急な動作で荷物が振られた時など、大きな負荷がかかるポイントは、ショルダーベルト、ウエストベルトの縫製部分です。

特にウエストベルトの付近は、ショルダーベルトの下部の縫製部も近く、バックパックの重量を支えている部分でもあるため、大きな負荷がかかり、破損が起こりやすくなります。 

ウエストベルトをバックパック本体に、直接、縫製することは簡単ですが、クラッチなしでエンジンと車輪をつなぐのと同じで、緩衝なしで負荷を伝えることになり, 結果 最も弱い縫製部分が破断を起こしてしまうのです。

バックパックの下部の破断は、山行中ですと、非常に厳しいもので、もし「針と糸」を持っていたとしても、複雑な負荷のかかるバックパックの縫製はできないでしょう。

これはバックパックの設計としては避けなければいけないポイントになるはずです。

これを解決するため、大手有名ザックメーカーでは、強くしっかりした素材を使い、厳重な縫製をすることで、
あるいは、ハーネスシステム全体で緩衝するようにして、耐久性を高めています。

しかし、これは「軽量化」とは反対の方向で、ウルトラライトのバックパックの設計には合いません。


ウルトラライトを志向するFREELIGHTでは、素材を強く(=重く)するのではなく、縫製を強くするのではなく、アイディアによって、バックパックの各所にかかる負荷を、うまい形で分散し、緩衝することを考えます。

それが、アジャスターであり、ベルトであり、バックパック全体の設計なのです。

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勘の良いかたはもうお気づきですね。

FREELIGHTのバックパックで「アジャスター」を採用する理由は、車でいう「クラッチ」の役割と同じ。
大きな衝撃の初期に発生する負荷を緩衝する役割を担っています。

アジャスターを挟んで、本体とウエストベルトをつなげた場合、荷重による負荷はアジャスターを通して力が伝わりますが、このアジャスター、いくらかゆるみが生まれるので、そこで初期衝撃の一部が断衝されるのです。

本体とベルトを取り付ける幅はあまり広くせず力の三点(支点 力点 作用点)を出来るだけ無くし
設計による補強でこの部分の破断を減らしています。

幅広いパッドが必要な場合はベルトにパッドを固定して本体には直接影響を与えないようにしています。

こうやってFREELIGHTのバックパックは設計されています。

今まで1000に近い数のバックパックを販売してきましたが、この部分が壊れるといった報告は届いていません。 これは私たちの考え方が間違ってなかったため、と言ってよいと思います。

しかし、これは私たちが始めて考えたノウハウではありません。

私は1970年代に初めて登山用のバックパックを買いました。現在も営業を続けるニッピンさんや、さかいやスポーツさんのオリジナルザックでしたが 今見直してみると、同じような設計がされているのです。

そして資料を調べてみると、それらはさらにそれ以前の、ミレーなどの欧州のバックパックの習作にも見られる設計です。

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    (古いメスナーの写真よりイメージとして転用させていただきました)

当時の彼らは現在ほど強い生地を使うことが出来ませんでした。
そのため生地に出来るだけ負担をかけずにバックパックを製造する設計技術を磨いたのです。

現代では、素材の力やスペックに頼り、デザイン中心に物作りが進んでいると思うこともありますが 
やはりきちんとした設計が出来ない限り物は壊れてします

私達は昔から考えられた物作りをさらに深く知ることで、ウルトラライト志向の物作りが
本当の軽量化製品を作ることにつながるのだ、と思って、日々、研究しています。


※ さすがに物ですから壊れない物はありません。 私たちがお話したいのはウルトラライトバックパックだからと重量制限をつけたり ある程度の重量を背負っただけで壊れてしまう事はない というお話です。



 明後日にはブエノスアイレスに向けて出発しますので設計技術論は当分お休みを頂き 出来るだけ当地より
 現地の様子をお届けできたらと思っています。


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| FREELIGHT | 12:10 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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2015年度は FREELIGHTをご利用頂きありがとうございました。

今年度も私達は冬季シーズンはお休みを頂き 製品テスト及び 新たなアイディアを生み出すヒントを求めて
海外野山を歩きに行くことにしました。

お休みの 期間は 1月11日~3月15日となります。

今回のルートは 世界最南端の街 ウスアイアから始まり パタゴニア地方  パイネ国立公園
フィッツロイ山  アコンカグア山 周辺域を回り  時間的に可能なら ペルー ワラスでアンデスを
歩いてきたいと思っています。

勿論 アルコールストーブ シェルター スリーピングバックを含む 新商品 のテストも行ってきますので
レポートを出来る限り行いたいと思います。

お休み明け 3月からの FREELIGHTも引き続き宜しくお願いいたします。

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いつもFREELIGHTをご利用いただき、ありがとうございます。

FREELIGHTはバックパック製造当初から、幅が広く、パッドの入れ替えができる
スレーブ形状のショルダーハーネス(ショルダーベルト)を採用しています

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このような形状を採用したのにも理由があります。

理由のひとつは、幅が広いので、ザックから伝わる荷重圧が分散して、楽に背負うことができること、です。
これは、これまであまたのザックメーカーが、かつて幅広のショルダーハーネスを採用した理由と同じです。

有名ザックメーカーはここから始まり、徐々に、背面やウェストベルトを含めたハーネスシステム全体の設計に至り、色々な人々に適応させるため色々な工夫が加わり、最近では、ショルダーハーネス自体の負担は減って、細くなっているモデルも出てきています。
ただし、そのような追加加工がどんどんされた事によりバックパック全体の自重は重くなりまってしまいました

勿論私達FREELIGHTはウルトラライトハイキングの思想を中心にした物作りですので 
このようなシステムを追加して行く方向に進まず 減らす努力, そして各自改良できるシステム。
基本に戻ってシンプルに そしてその中で適応性を広げる事を考えました。


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その答えが スレーブ形状にして、自分で好きな硬さのパッドに交換できる事であり。
幅が広いことで身体の一部にアタリが出る時には、自分の身体に適応したショルダーハーネスに改良できる事。 
それがFREELIGHTの採用する幅広スレーブ式ショルダーハーネスを採用した理由です。

この方法ならパッドを外し、スレーブを裏返し、アタル部分を縫う…、あるいは、パッド自体のその部分を削ったりして、 自分にあったショルダーハーネスを作り上げることができます。



ウルトラライトの基本は、本人の経験と技量を前提に、極力シンプルで、とにかく軽いギアを使用して、 その経験と技量によって、それでもなお、安全にフィールドワークを楽しむことです。

ウルトラライトギアを製造するメーカーは、軽さと丈夫さのバランスを保ち、ムダなものをそぎ落として 快適で、シンプルで、合理的なモノづくりに専念する事を目指すべきです。

出来うるならば購入頂いた方々が自分で改良を加え更なる完成度を目指せるモノを提案する事
です。

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FREELIGHTでは、
もしなにかのカスタマイズ、改造をした製品でも改造箇所以外に不良が起こった場合は保障対応で修理を受けることにしています。
改造箇所でも修繕可能なものは保障対応ではありませんが修理をお受けします。

ユーザーの方に、自分の道具として愛用していただき、更に、自分の力量に合うカスタマイズをする余地を残す
これがFREELIGHTが考えるウルトラライトのギアの理想形なのです。


| FREELIGHT | 14:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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