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FREELIGHTのバックパックは超軽量なウルトラライトバックパックですが壊れません※

 今回はFREELIGHTのバックパックのウエストベルト その構造と思い についてお話します。

WB3.jpg

いつもFREELIGHTをご利用いただき、ありがとうございます。

なぜウエストベルトは、直接本体から出ていないのでしょうか?
FREELIGHTのバックパック、ウエストベルトの形状はこのようになっています。

Dlight9.jpg
〈Dlight42は50mmのベルトがアジャスターを介して本体につながりベルトにパッドをつけております  
                        SpinnZack35は25mmのベルト パッドなしとなります 〉

基本的には、本体に「アジャスター」を付け、そこからベルトを出しています。  
なぜウエストベルトは、直接本体から出ていないのでしょうか?


判りやすくほかの例を挙げて説明してみましょう。

最近では、「マニュアル車」が減って、マニュアル車を運転する機会は少なくなりましたが
「マニュアル車」の最大の特徴であり、多くの人が苦手に思っていたのが「クッラッチ」でした。

クラッチは、車の動力であるエンジンの力を車輪に伝えるためにありますが、
特に、車が動き出すとき、止まる時に、クラッチが大切な役割を果たします。

非常に強いエンジンの回転の力を、止まっている重い車体に対して、いきなり伝えようとすると
エンジン側か、車体側(車輪側)に大きな負荷かかかり、どちらかが壊れてしまいます

それを回避するために、「半クラッチ」という操作によって エンジンの強い回転の力と 止まっている重い車体を、ゆるやかに、あいまいに結びつけ、エンジン出力の初期衝撃を和らげて車体に力を伝えていくのです。

最近の車はこの動作を同じような動作をしてくれる「トルクインバーター」が制御して、エンジンの力と、重い車体の動きのバランスを保ちます。

話をパックパックに戻します。

WB2.jpg

バックパックに一定の重量の荷物を入れて、持ち上げて、運んでいる時、あるいは急な動作で荷物が振られた時など、大きな負荷がかかるポイントは、ショルダーベルト、ウエストベルトの縫製部分です。

特にウエストベルトの付近は、ショルダーベルトの下部の縫製部も近く、バックパックの重量を支えている部分でもあるため、大きな負荷がかかり、破損が起こりやすくなります。 

ウエストベルトをバックパック本体に、直接、縫製することは簡単ですが、クラッチなしでエンジンと車輪をつなぐのと同じで、緩衝なしで負荷を伝えることになり, 結果 最も弱い縫製部分が破断を起こしてしまうのです。

バックパックの下部の破断は、山行中ですと、非常に厳しいもので、もし「針と糸」を持っていたとしても、複雑な負荷のかかるバックパックの縫製はできないでしょう。

これはバックパックの設計としては避けなければいけないポイントになるはずです。

これを解決するため、大手有名ザックメーカーでは、強くしっかりした素材を使い、厳重な縫製をすることで、
あるいは、ハーネスシステム全体で緩衝するようにして、耐久性を高めています。

しかし、これは「軽量化」とは反対の方向で、ウルトラライトのバックパックの設計には合いません。


ウルトラライトを志向するFREELIGHTでは、素材を強く(=重く)するのではなく、縫製を強くするのではなく、アイディアによって、バックパックの各所にかかる負荷を、うまい形で分散し、緩衝することを考えます。

それが、アジャスターであり、ベルトであり、バックパック全体の設計なのです。

WB5.jpg

勘の良いかたはもうお気づきですね。

FREELIGHTのバックパックで「アジャスター」を採用する理由は、車でいう「クラッチ」の役割と同じ。
大きな衝撃の初期に発生する負荷を緩衝する役割を担っています。

アジャスターを挟んで、本体とウエストベルトをつなげた場合、荷重による負荷はアジャスターを通して力が伝わりますが、このアジャスター、いくらかゆるみが生まれるので、そこで初期衝撃の一部が断衝されるのです。

本体とベルトを取り付ける幅はあまり広くせず力の三点(支点 力点 作用点)を出来るだけ無くし
設計による補強でこの部分の破断を減らしています。

幅広いパッドが必要な場合はベルトにパッドを固定して本体には直接影響を与えないようにしています。

こうやってFREELIGHTのバックパックは設計されています。

今まで1000に近い数のバックパックを販売してきましたが、この部分が壊れるといった報告は届いていません。 これは私たちの考え方が間違ってなかったため、と言ってよいと思います。

しかし、これは私たちが始めて考えたノウハウではありません。

私は1970年代に初めて登山用のバックパックを買いました。現在も営業を続けるニッピンさんや、さかいやスポーツさんのオリジナルザックでしたが 今見直してみると、同じような設計がされているのです。

そして資料を調べてみると、それらはさらにそれ以前の、ミレーなどの欧州のバックパックの習作にも見られる設計です。

reinhold.jpg
    (古いメスナーの写真よりイメージとして転用させていただきました)

当時の彼らは現在ほど強い生地を使うことが出来ませんでした。
そのため生地に出来るだけ負担をかけずにバックパックを製造する設計技術を磨いたのです。

現代では、素材の力やスペックに頼り、デザイン中心に物作りが進んでいると思うこともありますが 
やはりきちんとした設計が出来ない限り物は壊れてします

私達は昔から考えられた物作りをさらに深く知ることで、ウルトラライト志向の物作りが
本当の軽量化製品を作ることにつながるのだ、と思って、日々、研究しています。


※ さすがに物ですから壊れない物はありません。 私たちがお話したいのはウルトラライトバックパックだからと重量制限をつけたり ある程度の重量を背負っただけで壊れてしまう事はない というお話です。



 明後日にはブエノスアイレスに向けて出発しますので設計技術論は当分お休みを頂き 出来るだけ当地より
 現地の様子をお届けできたらと思っています。


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| サイバークエスト石谷 | 2016/01/25 14:51 | URI |















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